退職金を受け取ったら、知っておきたい! 老後のために上手どのような使いみちがあるのでしょうか? 

答えてくれた専門家  小井手美奈子FP

定年退職された方の多くは収入が年金だけとなり、年金と貯蓄を切り崩しながら生活していくことになります。人生100年時代ともいわれ、ただ貯蓄を切り崩していくだけでは貯蓄が底をつく「老後破綻」は、決して他人事ではありません。老後破綻に陥らないためには、貯蓄をなるべく切り崩さなくて済むよう、支出を見直し、定年退職後も働いて年金以外の収入を得ることとともに、保有する資産(貯蓄)を運用して増やしていくことが重要です。運用も大切ですが、退職金は老後の大きな支えとなるお金です。退職金は老後の生活費の一部としてとらえなければならない時代です。

100年を生きるとなると、あと何年ありますか? 65歳で定年された方で考えると35年! どう考えても節約だけでは、とても厳しい状況です。退職金を手にして考えている方も将来迎える定年と退職金について考える方も「老後をどう過ごすか?」について考え、お金の使い方についても計画性を持って取り組むことが必要ですね。

どうやって退職金を受け取りますか?                                                                        退職金には「退職一時金」として一括でもらう方法と、運用利回りが上乗せされる毎月分割の年金方式でもらう方法があります。税制上は控除が大きい一時金のほうがメリットがありますが、公的年金が少ない場合など、「毎月の生活費が不安」と分割を選ぶ人も少なくありません。しかし、公的年金を受給しながら働く場合、退職金を分割でもらうと、公的年金+給料+退職年金で毎月の収入が大きくなり、それに伴って税金・社会保険料が上がってしまうということがあります。65歳から公的年金と給料のダブルインカムが見込めるのであれば、定年時の退職金は税金が安くなる一括でもらうメリットが大きいのです。性格にも受け取り方のメリットデメリットがあるのでご相談くださいね。

退職金を使った運用方法を見ていきましょう。

退職金向け定期預金

個人向け国債

③各種ローンの返済

投資信託・株式投資

退職金は、一度に大きなお金を受け取ります。今まで取り扱ったことのないような大金を渡された側は、その取り扱いには十分に注意しなければなりません。ここでは、退職金の運用について触れてきましたが、順番としては、こうした資産を「守る」ための保険の見直しを先に行うことも大切です。そのうえで、ローン返済額や生活資金を差し引いて、リスク性の高い商品にまわせる配分を見極めるといいでしょう。まだまだ続く先の長い人生のために、これからでも始められる資金の運用方法はたくさんあります。「銀行に相談しに行ったら、リスクの高い投資商品を勧められ、必要なときには元本割れをしてしまった」では、悔やんでも悔やみきれません。
そのために、今のうちから投資商品についての理解を深め、自分のお金を守れるよう準備をしていく必要があります。健康面やお金の面など、老後についてはさまざまな不安があるかと思いますが、堅実な運用方法で安定的な収入の確保ができるよう、退職金の使い道をしっかりと計画しましょう。

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